ミノキシジル配合の育毛剤との併用が危険な薬について

育毛剤と薬の併用による危険性の前に、まずその分類についてご説明します。

育毛剤は以下のような3種類に分類されます。

医薬品

厚生労働省から商品の効果が認められているため、効果が強力で主に症状の治療に用いられます。

医薬部外品

有効成分が一定以上配合されているものの効果は緩やかなため、主に症状の予防や防止に用いられます。

化粧品

効果が認められておらず、医薬部外品と比較してもかなり効果が緩やかとなっています

このように効果が認められているかどうかによって、育毛剤はそれぞれ3種類の内どれかに分類されます。

基本的には育毛剤は薬と併用しても問題ない

基本的に育毛剤は病気の薬などと併用しても問題ありません。

ただし、これは比較的効果が緩やかな製品に限った話です。

効果が強力な医薬品の製品の場合は、併用することが危険なものもあるので注意が必要となっています。

ミノキシジルは主に医薬品の育毛剤に多く含まれている有効成分です。

効果として、血管を拡張することによって血流を促進する効果があります。髪への栄養は血液を通して運ばれているので、このように血流を促進することで頭皮や髪へ栄養をたくさん届けて成長を促すことができます。

また、髪の元となる毛母細胞に働きかける効果もあると言われており、発毛においても一役買ってくれそうです。

AGA（男性型脱毛症）の患者にも有効で、太くツヤのある髪を取り戻す手伝いをしてくれます。

ミノキシジルは副作用の恐れもある

ミノキシジルは使用していると副作用を起こす可能性があります。

ミノキシジルが配合されている育毛剤を使用して報告されている副作用としては、低血圧や動機・不整脈といったものから、多毛症やかゆみといったものまで様々です。

低血圧や動悸に関しては血管を拡張することによって血圧が下がったことが原因と考えられ、多毛症は血流が促進されることによって髪以外にも栄養が与えられたことが原因と考えられています。

また、かゆみや炎症は血管が拡張することによって血行が良くなるために起こる症状です。

よくマッサージを受けた後に血行が良くなったことによってその箇所がかゆくなることはありませんか？

このときの症状と同じ症状です。

本来は血圧を下げるための製品だった

ミノキシジルは初めから育毛剤に使用されていたというわけではありません。

実はミノキシジルは元々血圧を下げるために開発された成分なのです。

しかし、血圧を下げるために処方したところ患者に動悸や発作など心臓に関わる症状が表れたため、現在では血圧を下げる目的では使用されていません。

また、使用していた患者の中には発作や動悸とは別に、毛が濃くなる多毛症を副作用として発症した患者もいたことから、その効果に注目されて育毛剤にも使用されるようになりました。

このような理由で、元々血圧を下げる目的で開発されていたはずが、現在では育毛剤の有効成分として多くの製品に使用されています。

現在ミノキシジルを配合している育毛剤を使用している方は、血圧に作用する薬との併用は行なわないようにしてください。

また、元々血圧を下げるために開発されたミノキシジルですので、血圧を下げるタイプのものとの併用を行ってしまうと、血圧が下がりすぎてしまうことも考えられますので、絶対に止めましょう。

ミノキシジル配合の育毛剤はリアップX5プラスが有名

ミノキシジル配合の育毛剤として最も有名な製品はリアップX5プラスでしょう。

こちらの商品は、鷲のマークで有名な大正製薬が販売している商品です。

また、こちらのリアップX5プラスは頭に塗布して使用する外用タイプですが、内服するタイプのミノキシジルタブレットも人気の商品となっています。

ただし、内服タイプのほうが効果が全身に表れるので、その分多毛症や血圧に作用する可能性も高くなっています。そのため、リアップX5プラスよりもミノキシジルタブレットのほうが血圧に作用するものと併用することでの危険性が高くなります。

血管拡張作用によって血行を促進するミノキシジル配合の育毛剤。

育毛にも非常に効果的なので、ミノキシジルを配合した製品は非常に人気となっています。

しかし、ミノキシジルは元々血圧を下げるために開発された成分ですので、血圧に作用するものとの併用は大変危険です。

特に、血圧を下げるタイプの薬を使用している方はミノキシジル配合の育毛剤との併用は絶対に避けましょう。